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品質 "NKの保証、品質を生み出す管理体制"

NKがなぜ、後発のメーカー、加工会社でありながら、多くの世界的なブランドや企業からご依頼いただくことが多いのか。

そこには後発としての様々な取り組みがあり、それが「NKの加工技術と目的」及び「バリューチェーンの構築基準」に現れていますが、やはり第一義として、 多くの日本企業同様、品質に厳しい姿勢で日々望んでいるからに他なりません。

NKは、少人数体制の中でも、ダブルチェックの原則や、廃棄につながるロスを生まない歩留まりへのこだわり、日々教育と学びの姿勢、を徹底しています。 同時に、社員がその能力を最大限発揮できるよう、労働環境を最善にする試みを皆で実践しています。 特に、「品質保証における管理手法と手順」および、「縫製工程における重要検査規定」、2種の主要規定に明文化し、社員全員と共有することで、各社員の能力の最大化、会社全体としての品質の最大化、双方の実現を目指しております。

ここでは、NKの「品質保証における管理手法と手順」をご紹介します。

素材の選定 "再生素材"

NKは、お客様に長く大切にご使用いただけるよう、コンシューマー商品・インダストリアル資材品など、多様な条件に合わせて最適な素材を選定し、ご提案させて頂きます。

一方で、本来「最適な素材」とは、その時々で何が最適かを熟慮してこそ初めて、あらゆるステークホルダーにとって最適と言えるものになります。あらゆるステークホルダーとは、「多様 な自然環境」、「素材の原料調達地域とそこで働く人たち」、「お客様が属する社会」などです。これらを踏まえ、NKが最適な素材の選定とものづくりにおいて重視している点は、以下の3点です。

・再生素材を50%以上使用している。
(ポリエステルにおいては、原油採掘から生産されるバージン素材に比して、メカニカルリサイクル素材を使用することでのCFP *削減率は50%以上という各種統計を参照)

 

・素材生産工程における環境基準や品質基準が信頼のできる第三者機関によって認証されている。

 

・お客様の使用後に再び再生が可能となるような素材選定と商品設計を提案する。

(この点は、東レウルトラスエードを想定していない。再生ポリエステル100%の生地で作るバッグな どが該当するため)

 

*CFP (Carbon Foot Print 、炭素排出量)

再生素材使用 B-corp NK エヌ・ケー
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素材の選定 "動物皮革"

動物皮革は、日本では1000年以上前から使用される歴史的な素材であり、世界的には旧人のネアンデルタール人が防寒具として使用し始めたという歴史も伝わる衣類素材です。一方で、近年は2015年以降の世界的なSDGsの浸透において、17のゴールの内、SDG14以外は全てのゴールを直接的、間接的に包含し得る重要なテーマと言えます。

 

NKは、その祖業が皮革を使用したバッグなどの製造、および皮革産業の集積地である東京都足立区で活動し続けてきた業歴からも、創業以前からの数十年間、動物や皮革に向き合ってき ました。あくまで食肉の残渣であること、1000年以上という長い歴史の延長上に我々がいること、携わってきた人たち、その地域社会、高級ブランドをはじめ多くのファッションで使用さ れ続ける価値、などです。

他方、2021年から全社を挙げて取り組んできた世界的国際認証「B Corporation」へのチャレンジの過程において認識させられた世界各地での動物・食肉・皮革の事業現場の現実は、我々 の想定を遥かに上回るものでした。そのサプライチェーンが、ファッションや食のシーンである日本の一般家庭から、海外の遥か遠く離れた牧場であることはよくあることであり、これだ け情報化社会、デジタルネットワークで繋がった世界であっても、日本国内でさえ一般的には把握が難しく、海外となればそのトレーサビリティが不透明であることはビジネスにおける常 です。 広大な土地の改変、湿地帯や森林破壊、家畜の飼料、温暖化ガスの大量排出、輸送・屠畜、人権、というSDGsの核を成すテーマに、いかに長期的にコミットして解決へのシステミックチェ ンジを担えるか、NKはそれらを自社経営の中軸とし日々の事業運営の中で実践して参ります。

NKの調達選定原則

 

・LWG(国際認証であるLeather Working Group)の認証取得サプライヤーであること

・皮革の生産工程において、水・化学品の使用量が最も多い「鞣し加工工程」で、従来加工比50%以上の削減を実証できること

・原皮を頂く動物の生育過程において、しっかりとした動物愛護の実践が実証できること

・皮革使用商品の生産工程において発生する端材を最少化するための商品設計をお客様にもご理解いただき採用いただくこと

生産ライン "極めて低い「不良率」が生み出す、価値"

NKの不良率は、0.01 %以下です。これは近隣の足立区をはじめ東京都の皮革産業コミュニティで育まれた伝統的な技術に、弊社独自の品質管理や設備選定とメンテナンス技術の掛け合 わせが実現する数値であり、我々の誇りです。そしてこの誇りは、我々のみでなく、日本で真摯に製造業を営み続ける全ての企業に通じるものです。

不良品は、その多くが工程端材と併せて廃棄物となり、日本であれば焼却処分、つまり温暖化ガスの排出に直結します。つまり、不良率を限りなくゼロに近づけることは、製造業におい て「つくる責任」そのものです。

NKは、お客様や取引先から素材を支給いただく場合が多くあります。そのようなとき、初めてお取引するお客様は不良発生の可能性を加味して「ロス込み」の量を支給して来られること が一般的です。が、NKの不良率により、平均してその支給素材の20%は結局使うことなくそのまま支給先にお返しするため、多くのお客様がその後の弊社との取引や別の取引にあてがうこ とができるため、お客様側のコスト削減にも繋がっています。

下表はNKが毎月計測している廃棄物の重量値ですが、前期の廃棄量実績を当期のKPIとして期初に設定し、常に前期実績を下回る(廃棄量を削減する)ことを目指して取り組んでおります。

 

そしてさらに重要な点として、サプライチェーン全体での皮革の使用を削減することで、調達量削減、輸送量削減、温暖化ガス排出削減に繋げ、最終的には生物多様性の保全となることを長期的な経営指標として日々の工場運営を進めています。

B-corp認証 ハンドバッグ製造NK エヌ・ケー
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生産ライン "さらなる「廃棄の最小化」"

不良率の極少化と並び、NKが取り組む廃棄最少化経営の柱は、「素材選定工程」「裁断加工工程」の2つです。

素材選定

バッグなどコンシューマー商品においては、動物皮革のように素材そのものが持つシミやキズなどを避けると、その分だけ端材が発生し廃棄を生みます。最終的には、使用者(生活者、消 費者)における理解の構築が不可欠になっていきますが、「新品商品のキズは受け入れられない」と「端材の廃棄を最少にすることで環境負荷を極力かけないために、商品にキズがあって も構わない」という、二つの意識が混在する現代社会では、「そもそもキズやシミのない素材」を選択肢に入れることで、廃棄の最少化を実現することが可能です。

裁断加工工程

 

 従来型の素材裁断には、例えばレザーの裁断では「抜き型(金型)」を使用するのが慣習です。抜き型は、最終商品の形(バッグや財布など様々な形状)に合わせて鉄鋼製の型を作る必要 があります。この型を使用して素材を抜き取るわけですが、素材の隅々まで抜き取ることは難しいため、端材の発生量が必然的に多くなります。 一方で、NKが使用する超高精細裁断装置は、素材の隅々まで繊細に抜き取ることが可能なため、端材の発生量を最少限にすることができるのです。

 

「素材」×「裁断手法」によって、端材廃棄発生量を従来型の裁断方式比で、93.8%削減することを実証しています。

(実証画像参照)

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生産ライン "生産設備で生み出す環境負荷の違い"

日本が長らく世界に訴求してきた「ものづくり」や「技術大国」としてのプライドは、すでに、つくることやその製造品質にのみ焦点を当てる時代ではありません。それだけでは、地球環境や 社会全体というあらゆるステークホルダーへの影響を網羅的に検討した「理想の資本主義」を実現することはできません。

NKは、弊社の中核工程となる裁断加工において使用する部品「裁断ブレード」が如何に環境負荷を軽減するか、徹底して検証し実践を繰り返すことで実現しています。

同業種における主要な裁断ブレード: スウェーデン鉄鋼製の金型を使用 「事例: 金型重量 2,171 gm(画像参照)」

問題点1: 地球環境負荷1 対象商品生産終了時の廃棄。(高熱で溶解処理し再利用は可能だが、エネルギー利用が大きく温暖化ガス排出となる)

問題点2: 地球環境負荷2 金型自体の製造に使用される鉄鋼の採掘。及び金型製造工程で発生する電力などの各種エネルギーと、温暖化ガス排出

問題点3: 企業経営負荷 大量の金型が常時複数使用されるため、バッグなどの製造工場における保管スペースや建屋が必要となり財務的負荷となる

NKにおける裁断ブレード: マイクロブレードを使用。「ブレード重量 2 gm (画像参照)」 再生可能エネルギー100%による裁断機稼働

問題点1の解消: 鉄鋼使用量は、上記事例の従来金型比でわずか 0.09%。廃棄時の温暖化ガス排出量を削減(場合によっては、高熱で溶解処理し再利用)

問題点2の解消: 従来金型比でわずか 0.09%ゆえ、そもそも鉄鋼採掘量も、ブレード生産や輸送などあらゆる工程でのエネルギー消費や温暖化ガス排出を削減

問題点3の解消: あらゆる商品の型に一台の機械設備とマイクロブレードで対応可能なため、商品に合わせて金型を生産する必要がそもそもない。保管スペースも一切不要。

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